2013-05-21

プエルト・バジャルタ(メキシコ)

プエルト・バジャルタはメキシコの最西部の太平洋に面した町。
17才の時に初めてギターを習った人からメキシコに住んでいた時の話をたまに聞いてはいたけれど、その時は国の場所も分からず(タコスの存在すら知らなかった)なんとなく暑いとこなのかな?くらいのイメージしかなかったのを思い出す。
それがメキシコを訪れた第一のきっかけなら、第二のきっかけは米国留学中に取ったスペイン語の授業。
音楽大学という名のとおり昼夜問わずに音楽に取り組みつづける環境の中で、あまった単位で気分転換にというのがその理由だったのだけど、もともと語学は好きな方だったのでつい二学期続けてとってしまったのも大きな理由。

にしても始めて着いた時は正直怖かった、言葉もどこまで通じるか?だったし。
そしてタクシーに乗るときにその瞬間が来ました、教科書的スペイン語で
「こんにちは、ロシータ・ホテルに行きたいのですが?」
と質問し聞き取りの為に耳を澄ましていると、なんと流暢な英語で返されてしまい思いっきり拍子抜けした。
今考えて見ればカリフォルニアからも日帰りで旅行客が来るくらいの観光地だったので、観光業者はほとんどが流暢な英語を喋っていた。

とはいえあまりにリゾートし過ぎている環境は刺激がなく、数日で次の目的地へ行くことにした。
とにかく国が大きいので飛行機で目的地近くのレオン空港へ行き、荷物もかなりあるので定額タクシーを使うことにしたのだが、このドライバーがやたらとよく喋る人(スペイン語のみ)で2時間ほど喋り倒してくれたおかげで聞き取りに妙な自信が付いてタクシーを使ってしまった自己嫌悪が大分和らいだ気がする(バスにしたところで隣客に喋り倒されていた可能性は高いのだが)。
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2013-05-21

サンミゲール・デ・アジェンデ(メキシコ)

プエルト・バジャルタに行った理由は、ギターの先生が昔一緒に演奏していたというギタリストLoboが住んでいるからだったのだけど、なんと運悪くその時期はカリフォルニアへツアーに出ていて会えなかった。。。
なので早々に切り上げて、第二の目的地サン・ミゲール・デ・アジェンデに向かう。
この町は海際のプエルト・バジャルタとは打って変わって大陸の中央部で高度2000メートル位の場所にある町で、なにをするにも息が上がってしまったのを覚えいる、最寄の空港からどうにかして来るしかない陸の孤島。
それもあったから着いた時はさすがに感動した、なにせ話でしか聞いた事がなく、インターネットみたいに手ごろな資料もなかったのでどんな町かを想像する事すら難しかったのだから。

急勾配の石畳やカラフルなペイントの住居などは本当に印象深かった。
夜には早速先生とそのギタリストがよく演奏していたというMama Miaというレストランに行ってみた。
さすがに有名な観光地だけあって(ある種の僻地感が人気の理由)店も生演奏も存続していて、いい感じのラテン・ジャズが流れていた。
演奏後、スペイン語の練習も兼ねてピアニストに早速話しかけて見ると、他のメンバーも紹介してくれて
「ギター弾くのか?じゃあ明日は他のメンバーとやるから、彼らも紹介してあげるよ」
と言ってくれた。
それで特にやる事もないから翌日も行くことにした。

さて翌日行ってみると、早速また同じピアニストが別のベース、パーカッションをバックに演奏中。
ちなみにこの彼、この小さな田舎村に似合わずめちゃくちゃうまくて謎な感じだったけど、なんと有名なトランペッターのロイ・ハーグローブの組んでいるラテンバンドのピアニストだという。
音楽教育の発達しているキューバ出身のプレイヤーは世界各地で重宝されているようだ、サッカーでいうブラジル人みたい。
で演奏を聞きつつ周りを見渡してみると奥に6人くらいの集団がいる、暇なんでちら見してるとどうもメキシコ人だけではなさそう。
面白がってさらによく見るとなんだか見た事のある顔がいる、正確に言うなら会った事があるのではなく写真とかで見た事があるような。
「うーん、なんかロボ(スペイン語で狼の意味)に似てるなあ、でもツアー中なはずだしサン・ミゲールにはもう住んでないはずなんだがなあ・・・」
気になりつつトイレ行ったときに再見したのだけど、確証が。。。
と用を足してトイレから出るときに、演奏後のピアノマンが入ってきたから
「今日も演奏良かったよ」
「ありがとう、今度はギターもってこいよ。ところで友人を紹介するからまだ帰るなよ、あの奥の集団なんだ」
「オーケー。ところでさ、あの中の一人の顔を見たことある気がするんだけど、あれってセニョール・ロボ?」
「なんでおまえ知ってんだ?知り合いか?」
「え、ロボなの?今回の旅行で会いたかった人なんだ!」
「そりゃすごいな!よし、用足すからちょっと待て、すぐ紹介してやるよ!」

といった展開でなんとロボとばったり遭遇しました、奇跡的ミーティング?
で長らくおしゃべりした後にそのレストランの何十周年かのパーティーに誘ってくれて
「ここにしばらくいるならその日に来るミュージシャン連中を紹介するよ!町の主要なミュージシャンがほとんどがくるからさ、キミの先生にもよろしく!」
とのこと。
「オーケー、じゃあその日にまた。ギターの先生にはメールで伝えとく!」
と思わぬ展開にわくわくしながらその日は床に就きました、事実は小説ほどでもないけどかなり奇なり。