2013-03-13

ムンバイ(インド)

インドは日本から意外と遠い、飛行機で9.10時間もかかる。
デリー経由でムンバイ(旧名ボンベイ)へ、で予想通り(?)飛行機トラブルが発生してデリーで二時間待つ。
おかげですっかり深夜到着、これだけは避けたかった。。。
空港公認のプリペイドタクシーを頼むと呼び出してくれたりは無く、番号札をもらって自分で駐車場内を探すセルフサーブ方式。
スーツケースをガタガタ鳴らしながらなんとか見つけると、運転手は例によって上半身裸で後部座席で寝ていたから起こす。
住所を伝えてもわからない様子だったので、目当てのホテルが徒歩5分以内だと思われるムンバイ中央駅まで行く。
入口でタクシーから荷物を降ろして一息つくと、なんだか深夜なのに人の気配が。。。
そしてゆっくり周りを見た時に50人くらいが駅前広場で寝ているのを見て衝撃を受ける、しかし彼らはホームレスではなく始発の為に野宿していたのを後で知った。
動揺した気持ちを抑えられず地図をみながら徒歩でホテルへ向かおうと思ったのだけど、暗くて地図も見えないし狂犬病っぽい犬が遠くからじーっと見てるしな感じで思わず歩いていた人に聞いてしまう。
「そうか、まあ俺について来い」
と最も暗い道の方へ歩いていくではないか。。。

「ほんとに知ってんの?」
「ノープロブレム」
「てか歩くの速くないか?こっち荷物あるんだけど」
ささやかな願いは無視され速度は下がらず、しかも犬に途中から付きまとわれて(噛まれると狂犬病の率高し)かなりの緊張状態で歩いていると気づいたらホテルの入り口の前。
見ると二階がフロントらしく階段前に守衛もいて一安心、だがそいつはチェックインの間中も帰らずにいたのでまあ目的はわからなくもないのでさりげなく
「ありがとう、助かったよ。じゃあね」
と言ったら案の定、顔つきを変えて手を差し出してきた。
そこでホテルの従業員に
「5分歩いただけで金とるのかよ、どうしたらいいんだ?」
と聞いても皆苦笑い、暇つぶしの即席エンターテイメントを期待されてるのだろうか?
要求額は100ルピーとのことだがまだその時点では日本円でいくらか分からないので時間を稼がねば。。。
こちらは0ベースで交渉スタート、審判と通訳はホテルのフロント陣。
各自の主張が一通り終わったあとにおもむろにフロントのチーフらしき男が提案を出してきた
「まあまあ、じゃあ間を取って50ルピーにしようじゃないか?」
とりあえず交渉中にした計算により日本円では少額だった50ルピー(150円)を渡す、さすがに相手もそれ以上はゴネずらかったのか例も言わずに帰っていった。
これがタカりに始まりタカりに終わるインド旅行の始めのタカり体験である。
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2013-03-13

チェンナイ(インド)

チェンナイ(旧マドラス)とは南インド最大の都市のひとつ、ムンバイからは地図でいうとひし形の左端から右端まで飛行機で2時間くらい、。
まず空港についてびっくりしたのは英語の案内は普通だけど、その横の現地語の案内が角ばったヒンディー文字とはずいぶん違い丸い感じ、というのはインドという国はいちおう連邦公用語としてのヒンディー語と外来語の英語がポピュラーらしいのだけど、法律では22の言語が公用語として認められているらしい。
日本の方言みたいな感じ?と思いがちだが、日本の様な単一言語国家と違い南インドの人と北インドの人は英語で話す事が多いのが現状らしい。
さすが人口9億の国、州も言語の違いを元に分かれているので筋金入り?
ちなみに公用語指定されているヒンディー語を喋るのはこのうちたった40%らしい。

チェンナイの人はこれがまたおっとりしていてヒンディー語圏のデリーやムンバイとはずいぶん違う感じ。
主食のカレーも同じカレーと呼ぶのは憚られるくらい別物の食べ物(共通なのは煮込み料理ってくらいか?)で、日本で一般的にインドカレーと呼ばれているちょっとドロッとして油っぽい方が北インドのカレー。
南インドカレーは北インドカレーに比べて豆や野菜メインでさらさらして油っぽくないのが特徴。
インドは基本的に肉食を拒む食文化があるのだけど、中東の料理の影響も強い北インドは羊肉や鶏肉がかなりポピュラー。
しかし古来のヒンドゥー文化が浸透している南インドの菜食文化はかなり徹底していてカレーに肉が入ってる事はレア。

チェンナイはよく雨が降る土地柄らしく冬なのに湿気がすごい。
とりあえずなかなか触れる機会のない生の南インド音楽を聴きたく調べたところ近くでの演奏会がない。。。
仕方がないから食事しながら音楽が見れるという高級ホテルのレストランに行ってみるとオフシーズンでお客さんがいなくて貸切状態、しかし演奏者は若くてやる気満々で笛、壺、両面太鼓の白熱した演奏を心ゆくまで堪能できた。
今思うと予約した時の対応がドタバタしてたけれど、もしかしたらその為にいちいち来て演奏してくれたのかもしれない。

2013-11-24

バンガロール(インド)

前回は忙しく色々回ったので、今回は狙いを付けて同じ場所でロングステイをするというのがひとつの狙い。
前回の旅行から北インドは人当たりや滞在費がかなりシビアなのが分かっていたので、必然的に南インドに目が向く。
というわけで近年ITタウンとして世界的に名を馳せてきて久しい、しかも前回いけなかったバンガロールから。
まず空港は首都のデリーや一番の大都市ムンバイに比べてなにせ明るく新しい。
嬉しい誤算に期待しつつ町中へ、するとなんと人々が凝視してこない!
インド旅行のひとつの難関が実は「人々の遠慮のない凝視」であることは知る人ぞ知るところだと思う。

下痢やボッタクリは当然辛いのだけど、この凝視もボディブローのようにジワジワと聞いてきて、前回の旅行中にある日炎天下で「いいかげん見るのをやめてくれ!」と誰にでもなく叫びたくなったのを覚えている。
とにかくそういう凝視もなく、英語も話しかけるほとんどの人に通じるし、物価の高さと排気ガスの濃さ以外の部分ではかなりよいところだなあと思った。
より田舎に移動すれば上記の問題は必然的に改善されるはずなので、ロングステイという意味では良いスタートを切った思い普段行かないハードロックカフェなんぞにいってしまった。
ちなみに南インドは宗教的な理由で菜食主義と特に禁酒がかなり一般的に根付いていて、お酒を飲める場所が少ないので上記のような特定の場所でしか開放的には飲めない模様。

2013-11-24

トリヴァンドラム(インド)

インドをアラビア海を面して南下していくとトリヴァンドラムという町を通る。
ムンバイ、チェンナイ、バンガロールなどの大都市にくらべると小都市といった感じで、排気ガスの量も比例して減少し、幾分呼吸が楽かもしれない。
しかし一通り歩いてみたけどどうも特徴がない、セールスポイントはインド大陸の先端のコモリン岬に近い最後の小都市だけか?

泊まったホテル内のレストランに南インドの定食「ミールス」があったので食べてみると、やはりその辺の掘ったて小屋で食べるミールスとは違う繊細な味でちょっと気が晴れる。
オカズも10種類くらいあって、しかもちゃんとバナナの葉っぱに載って出てきた!
庶民食堂のミールスは値段も半額以下だけど、味付けも大味でオカズも5個以下だった。。。

2013-11-24

コヴァラム(インド)

場所は問わずとりあえず同じ場所で2週間くらい滞在しようと思っていたところ、やはりコヴァラムはその条件を備えた場所だった。
条件と言っても、
1、規模が小さく徒歩で廻れる
2、適度に観光地で飲食のチョイスに困らない
くらいだけど。
とにかくインド有数の観光ビーチということもあり、暑い中ビールが堂々と飲める。
泊まるところも長期宿泊にはかなりの割引をしてくれたし、これから毎日顔を合わせると思われる近所の人たちもなかなかナイスな感じ。
500メートル以上の浜辺にずらっとオープンエアーなレストランが並んでいて、夜は店頭にディスプレイされているその日に揚がったばかりの魚介を料理して出すんだそう。
当然値段は張るけれど、浜辺の席でビールが200円以下で豪華海鮮セットも1000円以下なら食べてみたい誘惑にかられる。

浜辺から一歩入るといきなり迷路的なジャングルに掘っ立て小屋レストランが乱立しているような状態だけど、さすがに値段も安い、ただ夜は街灯がなく真っ暗。。。
星やその他のかすかな光を頼りにお目当ての店に辿り着いた時の達成感はなかなかのもの。
ジャングルの食堂は現地向けなのか大体がピュア・ベジタリアンだけど、仕入れが野菜だけだから安く上がるのか野菜カレーとご飯で150円以下と安価なのが嬉しい限り。
肉、魚が食べたい時、波の音を聞きながら食べたい時、ゆっくりビールが飲みたい時、なんかは海際組へ。
野菜が食べたい時、ケチりたい時や軽い食事でいい時、食事前にちょっとした冒険気分を味わいたい時、なんかはジャングル組。
というチョイスがあるのは素晴らしい。
これにビール以外の酒もあれば言うことなしですが、そこまでは言いますまい。

一週間経つとさすがに迷路のようなジャングルにも慣れてきて、散歩中に見つけたある掘っ立て小屋レストラン(見た目は近所で最安値っぽい)で南インド定食のミールスをトライしてみた。
昼から日陰で真っ暗闇、テーブル下の蚊はまだしもテーブル上を蟻やよく分からない虫が徘徊していて、はたき落としても落としてもどっからともなく現れてくるので油断も隙もない。
とりあえずミールスを頼む。
店はさすがに観光客はいなく、数組の地元客らしき方達が伝統的に手食(手で食べること)していた。
「浄と不浄の宗教原理が込められた神聖なるマナー」と話には聞いてても、正直寿司とオニギリ以外の米を手で食べることに慣れていないので「フォークかスプーンがなかったらどうすれば?」と心配しているうちに銀の定食プレートに乗って来た、本当はバナナの葉に盛られてくるのだが、その分めちゃくちゃ安いはずなんで気にしない。

ちなみにミールスとは汁状の野菜カレーと付け合わせの野菜をご飯に混ぜながら食べるかんじで、日本風だとご飯にみそ汁をかけてノリでお新香も混ぜちゃえみたいな感じか。
それを右手のみで黙々と食べる姿はなかなかの迫力で(こういう心情を表現するのは写真だと難しい)。
もちろん除菌シートを数枚持参してたのでいざとなれば、と思っていたらあっさりとスプーンを付けてくれた、しかもキレイなスプーンだったので除菌シートは出番なしで御厚意を素直に受けた。
味は?というといたって75円な味だったけど、お代わりし放題なところは太っ腹。