2013-03-14
グラナダ3(スペイン)
往古アラブの栄華を今に伝える文化遺産アルハンブラ宮殿行きバスが出ている停留所からは全く逆方向の危険なジプシー居住区サクロモンテ行きのバスに乗り10分。
洞窟を掘った部分に壁を嵌め込んだ部分が真白に塗られた家々が見えてくる。
昔グラナダに移住してきたジプシーは土地がないから洞窟を家にしたらしくその名残が今も残っている。
ちなみにレッスン場はその付近に住んでいた日本人の友人宅。
この家もまたいわくつきで、なんでも空き家をマノロが勝手に直して所有して賃貸しているというなかなかキワドイ場所(友人は一階に住んでてレッスンはその上の掘っ立て小屋みたいな場所)、まず一階の友人を訪ねると
「あれどうしたの?こんなとこまで珍しい!」
「マノロにフラメンコ習うんだよ」
「え?あいつに習う。。。大丈夫?とりあえずあいつがメンドくなったら呼んでね、下にいるから」
と、早くも彼らの中でのマノロの立ち位置の低さを匂わせるなんともいいようのない意見をもらう。
とにかく二階に上がりレッスンスタート、まずは語学勉強も兼ねて歌を教えてもらう事にしたけどそのレッスンがすごかった。。。
いきなりギター弾きながら一節歌って
「よし、やってみろ」
「え?一回じゃ覚えられないよ」
「わかった、もいっかいやるから。どうだ?よし歌ってみろ」
「だからムリだって、せいぜい歌詞くらい書いてよ」
「え、ムリだよ。だってオレ文字書けねえから」
多分自分の人生で初めてリアルに文盲に接した瞬間である、世界は広い。。。
しかしこれでは始めの10分でレッスン終了してしまうのでゆっくり歌ってもらってそれを書き取る事にする。
「なんだ、話すだけでなく、文字も書けるのか?日本人は頭いいところが好きなんだ」
しかし何度聞き取りしてもわからない単語もあったけど、1ヶ月でも学校に行って耳を馴らしていたのが効いたのか大部分を書き取り晴れてレッスンを開始。
ひたすら少し高すぎるくらいのキーで同じ節を何度も歌う、音程よりもリズムの細かい修正が多いのが面白い。
それから週一回くらいで2ヶ月ほど通ったある日、1時間のレッスンなのに40分くらいで
「今日は疲れた(本音は飽きた)、早く終わっていい?」
とか病気でもないのに言うから、残り時間はギターを弾いてもらう事にしたら
「おれのギター聞いた事ないんだっけ?言っとくがおれは歌手だが本職はギタリストだからな」
と早速嬉しそうに弾き始めた。
この時の演奏が今まで聞いたことないくらいの凄い音圧(その後世界的にもトップクラスのフラメンコギター奏者をプライベートな状態で聞いた時でさえこの時ほどの音圧は感じられなかった)だったので思わず
「ねえ、思いっきり力入れて弾いても一音すらそういう音出ないんだけど、なにが違うのかな?」
「やっぱ食い物だな、あとお前は指は動くけど日本人だしさ、フラメンコなんて分かんないだろ?」
と今まで払い続けたレッスン代の意義を根本から覆すような意見をサラッと言い
「ところでおれギターうまいだろ?ギターレッスンも受ける気ないか?」
と最高のオチまでつけてどこまでも期待に応えるマノロであった。
洞窟を掘った部分に壁を嵌め込んだ部分が真白に塗られた家々が見えてくる。
昔グラナダに移住してきたジプシーは土地がないから洞窟を家にしたらしくその名残が今も残っている。
ちなみにレッスン場はその付近に住んでいた日本人の友人宅。
この家もまたいわくつきで、なんでも空き家をマノロが勝手に直して所有して賃貸しているというなかなかキワドイ場所(友人は一階に住んでてレッスンはその上の掘っ立て小屋みたいな場所)、まず一階の友人を訪ねると
「あれどうしたの?こんなとこまで珍しい!」
「マノロにフラメンコ習うんだよ」
「え?あいつに習う。。。大丈夫?とりあえずあいつがメンドくなったら呼んでね、下にいるから」
と、早くも彼らの中でのマノロの立ち位置の低さを匂わせるなんともいいようのない意見をもらう。
とにかく二階に上がりレッスンスタート、まずは語学勉強も兼ねて歌を教えてもらう事にしたけどそのレッスンがすごかった。。。
いきなりギター弾きながら一節歌って
「よし、やってみろ」
「え?一回じゃ覚えられないよ」
「わかった、もいっかいやるから。どうだ?よし歌ってみろ」
「だからムリだって、せいぜい歌詞くらい書いてよ」
「え、ムリだよ。だってオレ文字書けねえから」
多分自分の人生で初めてリアルに文盲に接した瞬間である、世界は広い。。。
しかしこれでは始めの10分でレッスン終了してしまうのでゆっくり歌ってもらってそれを書き取る事にする。
「なんだ、話すだけでなく、文字も書けるのか?日本人は頭いいところが好きなんだ」
しかし何度聞き取りしてもわからない単語もあったけど、1ヶ月でも学校に行って耳を馴らしていたのが効いたのか大部分を書き取り晴れてレッスンを開始。
ひたすら少し高すぎるくらいのキーで同じ節を何度も歌う、音程よりもリズムの細かい修正が多いのが面白い。
それから週一回くらいで2ヶ月ほど通ったある日、1時間のレッスンなのに40分くらいで
「今日は疲れた(本音は飽きた)、早く終わっていい?」
とか病気でもないのに言うから、残り時間はギターを弾いてもらう事にしたら
「おれのギター聞いた事ないんだっけ?言っとくがおれは歌手だが本職はギタリストだからな」
と早速嬉しそうに弾き始めた。
この時の演奏が今まで聞いたことないくらいの凄い音圧(その後世界的にもトップクラスのフラメンコギター奏者をプライベートな状態で聞いた時でさえこの時ほどの音圧は感じられなかった)だったので思わず
「ねえ、思いっきり力入れて弾いても一音すらそういう音出ないんだけど、なにが違うのかな?」
「やっぱ食い物だな、あとお前は指は動くけど日本人だしさ、フラメンコなんて分かんないだろ?」
と今まで払い続けたレッスン代の意義を根本から覆すような意見をサラッと言い
「ところでおれギターうまいだろ?ギターレッスンも受ける気ないか?」
と最高のオチまでつけてどこまでも期待に応えるマノロであった。
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