2014-12-23

ヘシフェ(ブラジル)

ヘシフェとはペルナンブーコ州の州都で電車もかなり網羅されている都会である。
その分ホテルも高いこともあり、オリンダからバスで30分なので、この際通い観光をすることにする。

バス停にいる時にここでもアジア人が珍しかったのか、中学生くらいの女子二人組に暇つぶしに話しかけられる。
「ポルトガル語がよくわからんから、悪いね」
と牽制するが、お構いなしにゲラゲラ笑いながら話してくるから、ここはひとつ会話練習に入ってみる。
片方のポルトガル語がやたらとアフリカンな感じ(知り合いのアフリカ人が話す英語の訛りに似てたので)で聞き取りづらく、もう一人にちょくちょく言い直してもらったりするたびに、なにがそこまで面白いのかゲラゲラ笑われたりしているうちにバスが来たのでさよならする。

途中の道はガタガタで、いくつか渡った川は異臭を放っていていやが応にも都会感を演出してくる。
とりあえずビーチをぶらつくが、リオの海岸から岩山がみえる景色を見たあとなのですぐ飽きる。
歩いて行こうと思うが、人に聞いたら無謀な考えらしいのでバスに乗って旧市街地に行く。
そこはすごく整理されていて、フレボーと言う地元特有の音楽スタイルの博物館まであり楽しめた。
そこからまた1時間ほど歩いて新市街地の方を散歩してみる、雰囲気は物騒だが見てくる人も少なく危ない感じはない。

夜にオリンダに帰ってきて、高台にある屋台村に夕飯の物色に行く途中、打楽器が聞こえてきたので近づいてみる。
すると昼は公園みたいに見えた場所でなにやらウネウネ人影が動いていて、数人が道から見ている。
よく見ると打楽器隊10人くらいをバックにカポエラという伝統舞踊をやっていた。
ラッキーと思いつつも、どうやら皆酒を飲みながらやっているようで興奮度も高く、どことなく不穏というか緊張感も漂っている。
ブラジル人の観光客もあまり近くによって見ようとはしていなく、しばらくは道からみていたが、徐々に数グループが近くで見だしたので便乗する。
間近でみるとやはり酔っているからか、早い蹴りの動作が入るとつい当たったりしてしまっていて(当たると「おお、悪い悪い」みたいに抱き合う)、打楽器と歌の宗教的な感じの繰り返しも妙に興奮を掻き立てる。
しかもなぜかこの後パトカーが来て解散させられてしまう、というどこまでもミステリアスな幕切れであった。

2014-10-25

オリンダ(ブラジル)

ブラジル北東部ペルナンブーコ州の小さな港町であるオリンダは、州都であるレシフェからバスで約30分くらいの世界遺産都市。
内陸中部のベロリゾンチからはとてつもなく遠いので、さすがに飛行機で行く。
レシフェ空港着陸時に見える景色はさすがに山岳地帯とは違い、海とヤシの実の世界が広がっていた。

空港内の観光案内で宿泊施設を調べたところ、レシフェは高いので近くのオリンダに腰を据える事にする。
海岸都市特有の湿った空気を感じつつ慣れない電車に乗り、意外にも都会的な風景を見つつバス停があるという中央駅を目指す。
降りてバスに乗ろうとするが、ちょうどバスが賃上げストライキに入っているようで、炎天下に荷物持ちながら待つのがヤなのもあり仕方なくタクシーを拾う。

よく喋るやけに調子のいいタクシー運転手だが、先交渉なので安心して乗っていると、目的地近くで運転手に道を聞かれた男性がいきなり助手席に乗ってきて70パーセント怪。
宿泊先でチェックインしてる時もなぜか帰らずロビーにいる、90パーセント怪。
そして自分が部屋に荷物を置いて出ようとするとまだいるから、挨拶して去ろうとしたときにやはり100パーセント達成。
「ガイドいらないか?とりあえずもうガイドは始まってるんだけど」
「まずガイドはいらない。そもそも道聞いたらガイドスタートなのか?」
もうその時点ではすでに引っかかっていて、幾許かは払わざる負えないのを自覚していたのだが、とりあえずその金額を最小にするためと、次回から街中で会っても簡単に接近させないためにかなり大げさに抗議したり残念がったりしてみせた。
具体的にはそれまでスペイン語で話していたのをいきなり英語一辺倒に変えて、そいつでも知ってるだろうと思われるようなあまり品の良くない言葉を随所に混ぜて、感嘆したり抗議しつつ値切った金を渡した。
少し油断するとこれだ、文化的な環境の変化に即対応するのは難しい。。。

しかし、そのガイドもどきが自分のギターを見て発した唯一の有力情報「金曜夜のセレナータ」は大分気になったので、その翌日金曜日の夜十時くらいに近くの教会に行ってみた。
すると中世風の服を着た7.8人のミュージシャンが毎週やっているとは思えない手際の悪さでリハーサルなんだか、サウンドチェックなんだか、ウォームアップなんだかわからないようなのを1時間ほどやり、突如おもむろに演奏しながら街を練り歩き始めた、観客も一緒に練り歩くようなので付いていく。
多くは酒瓶を片手に持っているので、そこにいる唯一の東洋人らしき異人種を見逃してくれるわけがない。
酔漢共に散々絡まれつつ(要するに「前を歩いている女性に一緒に話し掛けよう!だからまず飲め」なんだが)、あのガイドもどきの登場に感謝まではしないけれども、オフシーズン観光都市の暇な一夜をタダで潰せたのはよかった。

2014-10-13

オウロ・プレト(ブラジル)

ベロリゾンチからバスで2時間ほどの場所に州最大の観光都市「オウロ・プレト」がある。
意味は「黒い黄金」、近くに「白い黄金」という町もあるそうだ。ちなみにベロリゾンチの意味は「美しい地平線」。
標高が1000メートルを超えるのでかなり寒い、町は中世のごつごつした石畳と小さな路地や教会がとてもよく保存されているいわゆるコロニアル風というやつで、以前訪れたメキシコ内陸部のサン・ミゲール・アジェンデを思い出す。

実はベロリゾンチでは例のバックパッカーと数日間つるんでいたのだが、ある日
「このままではお互い一人旅してる意味がない、明日からは別行動でいこう。」
という意見に達し、それもあってオウロ・プレトに来たのだが、なんと着いてから1時間くらいで再度美術館で鉢合わせてしまった。。。
旅は道連れ?その逆を行ったつもりではあったんだけど。。。

夜に相手の宿泊先で待ち合わせる約束をして、近くの食堂で飲み食いしてたら、横のテーブルに宿泊先にいた女性が一人で座っていたので合流を促す。
その女性はロシアのシベリアから来て、もう半年も南米を渡り歩いているらしいのだけど、アマゾンやら秘境(?)地帯もかなり廻ってきたらしく貴重な体験談を聞かせてもらう。
実はその時まではアマゾン行きも2パーセントくらいは考えていたのだけど、湿気のすごさ、唯一の移動手段である船のボロさ、食事の不衛生さなど、予想を超える過酷さを聞き0パーセントになる。
克服するにはかなりのお金を使わなければならないそうだ。

翌日、夕食前に夜道を歩いていると、ギターの音がレストランから聞こえてきたので覗いてみる。
少し年配のギタリストが一人で器用にボサノバ、ジャズ、スパニッシュ風な曲調を弾き分けていたので、少し高いけど奮発して入ってみる。
時間が早い分お客も少なく、終わった後に話し掛けてきてくれて、一曲弾けというので弾いたら
「ぜひ明日来てほしい、もっと聞きたい!」
と自尊心をくすぐるような事を言われ、翌日演奏に参加する約束をする。
翌日は昼に近くのマリアーナという観光都市に出掛け、夜に帰ってきて例の店にいくとなんと満員。。。
少し気おくれしていると店員には話が通っているらしく、ステージ裏の席を案内してくれたので、ブラジルの名物カクテル「カイピリーニャ(地元の蒸留酒にライムと砂糖を混ぜた飲み物)」を飲みながら待つ。

多少興奮気味な彼になぜか一杯おごってもらい、下手なポルトガル語でどうにかお互いの知っている曲を確認したりして、ステージに上がり2.3曲楽しく演奏する。
すると彼が突然ステージを降りて
「ソロギター聞きたいんだ、またおごるからさ」
まあこっちはいいんだけど、店は大丈夫なのかな?いや、大丈夫なんだろう。
結局30分くらいソロで演奏したのだけど、お店の雰囲気は全く違和感なく楽しんでもらっている様だったし、なにより彼が本当に真剣に聞いてくれていたので弾きがいがあった。

2014-10-07

ベロリゾンチ(ブラジル)

リオから内陸へバスで7時間、国土の大きさを思わせる広大な山と平野の中にブラジル第3の都市ベロリゾンチがある。
とにかく大きな国なので、ちょっとした移動でも7.8時間かかってしまうのは小さな国から来た人にはそうは慣れない。。。
ベロリゾンチはミナス・ジェライス州の州都なんだけれども、そのミナスというのは鉱山の事。
昔はそこで採れる金銀その他で相当潤っていたらしいく、今はその跡地や中世風な街並みを使った観光都市が多いようだ。

泊まるところは少し郊外にある再度同じ名前のサンタ・テレザ地区。
この地区はバーや音楽を聞かせる店が各コーナーごとにあるという酒飲み御用達の地区だそうで、かつ当たり前だが市内より物価が安い。
泊まるところはキッチンもあったりして、早速そこで自炊してたイギリス人バックパッカーとその夜出掛ける約束をしつつ、ひとり市内に向かう。

過剰にガタガタするバスは相変わらずだったけど、町はなんというか少し影があるというか、リオやサンパウロに比べて落ち着いている。
さて見どころは?
2時間ほど歩き廻ったけど正直あまりない、敢えて言うなら今までにない安全な雰囲気?夜に期待しよう。

演奏が始まる夜9時くらいに例のバックパッカーとまずは近辺でよく知られたライブバーを確認する、この付近はミナス州独自の音楽ムーブメント/スタイル「Clube de Esquina(街角クラブ)」発祥の地として知られているそうだ。
期待して店に入ってみると、これがまた思いっきりビートルズのカバーバンドで拍子抜けする。。。
確かに上記のムーブメント自体ビートルズの影響を受けまくっているのでこの流れはあながち間違いではないのだけど、25歳のイギリス人には間違いなく懐メロ酒場にしか見えなかった事だろう。

どうせだから色々聞いてみる
「ちょっとこれさ、おれはいいけどキミにはどうなのよ?だってビートルズとか古すぎて聴かないでしょ?」
というと、彼は真顔で
「いや、おれは古いの好きだからいちお聞いてはいるけど、正直そこまでおもしろいとは思わないなあ。
基本アメリカ音楽の真似だもん、サージェントペパーズなんか西海岸のジェファーソンエアプレインのXXXXというアルバムにそっくりだし云々。。。」
と出し抜けにかなりの音楽通であることを伺わせたので驚いた。。。

2014-09-23

リオ・デ・ジャネイロ3(ブラジル)

コルコバードの丘のキリスト像を始めとする多数点在するリオの有名無名の観光名所もあらかた訪れ、いよいよ深夜の繁華街に出始める段階になり心強い助っ人が登場してくれた。
宿泊先の上に住んでいるブラジル人なんだけどオランダとアメリカにいたことがあり、あまり音楽を聴きには出歩かないから、これを機に聴きに行きたいようで早速近くのラパ地区に行く。

週末とはいえ、行くまでの道は相変わらず閑散としていて、聞くと地元の人だからとはいえ油断は大敵らしい。
現に別の日に一緒に出掛けた時に帰りが深夜になり、その人がいつもタクシーを降りる場所で降りようとしたら、運転手が
「あの広場でたむろしてる連中はちょっと怪しいな、メーター切るからもうちょい先まで乗れ」
と地元民らしからぬ警戒と配慮を見せたことでも伺える。
宿泊地区のサンタ・テレザは急な坂ばかりで道もガタガタなので、運転手は途中嫌味ばっかり言って友人と言い争いまでしてたのに、その時だけ急に心配してきたのが印象的だった。

さてラパ、ここはサンバを聞かせるバーが多いようで、どこからもその手の音楽が聞こえてくるが
「サンバはうるさくて話せないから、まずはよく行くロックのライブバーにしよう」
と言うので、ロックのがうるさいんじゃない?と思いながら行ってみると、確かにクリームやローリング・ストーンズ等の60年代ロックを適度な音量で演奏していて非常に良い。
そのあとにサンバの店に行ったら確かにすごい音量で話せない、サンバってこんなにうるさい音楽だっけ。。。?
打楽器が5人いて、弦楽器2人。そして歌手2人も小さな打楽器を演奏しながら負けないように大声で歌うので、かなりの音量になるのは分かるが打楽器にマイクはいらないのでは。。。?
とにかくそんな感じで数軒違ったバーをハシゴして楽しんだ。

しかしリオはボサノバ発祥の地なのに未だボサノバを聴けず、観光客が少ないとこんなものなのか?
そうらしい。。。観光客以外には古すぎていわゆる「ダサい」という感じみたい、友人もやはり聴きに行きたがらず。。。
個人的には大好きなジャンルなので本場で見れなかったのは少し残念だけど、これも現地ならでは?

クラシックに関してはギター以外は詳しくないのだけど、クラシックギターに関しては相当のレベルの高さを感じた。
著名ギターデュオのアサド兄弟、地元のソロコンサート、ジャズとクラシックのフュージョン奏者など色々聴いたけれど、一様にオリジナリティーの高みを求める貪欲な姿勢、そしてそれを支える音楽性と技術を持ち合わせていた。